Karte3「めぐり逢う瞳」前編

『♥ あなたの心を癒す〝真実〟の物語(トゥルー・ストーリー) ♥』
扉画はベビーカーに犬を乗せて微笑む仲睦まじい夫婦。しかし、すでにこの夫婦を悲劇が襲ったようです。
『愛犬ルルを失った早川夫妻に 新たな〝出逢い〟の予感』
前回までのあらすじによると、不妊に悩む早川夫妻が沖縄で精神科のクリニックを営むケイコ先生にペットを飼うことを進められ、シーズ犬のルルを飼い始めたが、心臓麻痺であっけなく死んでしまったとのこと。ここまでの情報と、マンガの監修者のケイコ先生のプロフィールが精神科医師で、タイトルも「クリニック」だし、マイルドなサイコドクターモノだと思いきや……
『ケイコ先生を通じてそれぞれの前生とルルからのメッセージを知り、夫婦としての在り方を再認識した二人』
あれ? 前生? メッセージ? 
『―――いつか……どこかで――― めぐり逢うために生まれてくる魂と魂が きっとある……』
な、何かスピリチュアルな臭いがしてきましたが……

猛暑の街角でお散歩中のワンちゃんとすれ違う奥さん
『かわいい… フツーのワンちゃん わたしにはわかる 同じシーズでも―――違う あのコはルルじゃない』
あたりまえです。のっけからテンパッてる奥さん。その脳裏にはルルとの出逢いから別れまでの経緯がよぎります。いや、「前回までのあらすじ」でしっかり説明していただいてるのに、本編でもフォローしていただけるなんて、今回が初見の自分には大変アリガタイです。まぁ、とにかく不妊に悩んだご夫婦がケイコ先生にペットを飼ったらどうかと助言してもらったと
『子供のいない寂しさを完全に埋められなくても 心の支えになってくれるかもしれませんよ』
ケイコ先生、フツーにカウンセラーっぽいアドバイスです。あらすじは、誤植か何かだったんでしょうか?
『ペットショップで出逢った瞬間に その黒い瞳で私たち夫婦を魅了したルル』
助言に従ったご夫婦はペットショップでルルと出逢います。もう、どうする! アイフル〜!(←半端な古さが恥ずかしいなァ……)状態だったんですねェ
『ルルはなんと 前生でヨーロッパの狩人だった夫から命を救われ その恩を返すために 生まれ変わって私たちに会いにやって来たのだった』
ぇえッ!! ちょ……今までフツーだったのにページをめくったらいきなりコレですよ。しかし「ヨーロッパの狩人」って大雑把だなァ……。北欧と西欧ってだけでも全然違うし。何か「浪花のキョンキョン」とか「韓国の百恵ちゃん」みたいなカンジだし。♪8時ちょうどの〜TGVデュープレックスで〜、とか歌うね。「ヨーロッパの狩人」は

カンケーないけど、こういう前生(前世)ネタのマイフェイバリットは、ミス・バースディーパーティーこと西田ひかると前世占師のやりとりなんですよ
「アナタは、中世ヨーロッパにいましたね」
「それでなんですかね。ワタシ、ルネッサンスの芸術が大好きなんですゥ」
「そうでしょう、アナタの前世はルネッサンス人なのです」
「え〜、そうなんですか。スゴ〜イ」
駄目だ、コイツら……。ルネッサンス人って何だよ……

さて、話を物語に戻しまして……
『生まれつき心臓が悪かったルルは あっという間に逝ってしまったのだ 夫の長年の持病だった 原因不明の腰痛を持って―――』
何しに生まれ変わったんだルル。あ、旦那の腰痛治したのが恩返しなのか? だったら、不妊の方を治してあげれば良かったのに……

『ケイコ先生を介してルルが言ってくれた―――言葉…… また 生まれ変わって 必ずお二人の元に来ます いつ どこで めぐり逢ったとしても 目をみればわかります』
口寄せ? チャネリング? すごいよ、精神科医ケイコ先生。精神科医療の分野はスゴイ事になってるようですよ。今やってる「ブラックジャックによろしく」の精神科篇でも、こういう先端医療を取り上げて欲しいものです
と、ここまでの描写は全て奥さんのモノローグなんですよね。ケイコ先生も回想であって本人は登場しませんし、全ては奥さんの思い込みなのかもしれません。ルルを失ったショックは大きく、ダメージは心だけでなく身体も蝕んでいるようですし。血色が悪く食も細い様子の奥さんの身体を旦那さんは気遣い、優しい言葉をかけます
『きみの後ろに白い影が視えるよ……』
オマエもかッ!!
『きゃああ! ほんと!? あなたっっ ホントに!?』
『はは 冗談だよ……』
ああ、よかった。何だァ、冗談かァ……
『だって あなた ときどき視えるじゃない』
視えるのかよッ!!

……まぁ、そんなこんなで、ルルの死を引きずり続ける奥さん。体調がすぐれず通院しますが芳しくありません。これではいけないと奥さんは気分転換をはかります
『〝病は気から〟っていうし』
うんうん、そうですよ
『生まれ変わったルルに逢えたとき 私がボロボロじゃ申し訳ないわ』
だから、それが……
そして、フラリと動物病院に立ち寄ります。気分転換どころか、思いっき引きずってますが……。そして運命の出逢いを果たします
『ルルだわ! 犬種は違う柴犬だけど ルルに間違いないわ!!』<以下次号>
奥さん、暴走の予感……

と、まぁ、こんなカンジ
自分の拙い文章力ではコノ作品の魅力は伝わらないと思いますんで、ぜひ女性自身をお手にとって頂きたいです
まぁ、オカルトマンガを医療マンガと早合点したため、そのギャップにクラクラしただけなのかもしれませんが……