「メガネは抑制アイテムとしてはありふれた物です 物事を正確に視るという意味があるからでしょうね」

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高橋葉介さんの新刊『悪夢交渉人』*1収録の『リセット』*2で、都市伝説や個人的な妄想を実体化する能力者の制御アイテムとしてメガネが使用されているのが、個人的にとても面白かった
本年の初頭にメガネを作った。免許の書き換えの時、再々検査でギリギリメガネ携帯は免れたものの、自分でも不便を感じていたのでこの際と思い作ったのだ。まぁ、メガネをかけるという習慣が染み付いてないので、普段は裸眼で過ごしているのだが……
視力が落ちた原因は数年前に遡る。会社で経費削減と称して、デスクスタンドが撤去され、室内の照明も蛍光灯を外し半分にされてしまった。おかげで薄暗い事務所で、土蔵の中でロウソクの明かりのみで執筆する江戸川乱歩の如く*3、読み書きパソコンをするはめに……。当然、視力は落ち始め、ヤッベと自腹で電気スタンドを買ったりしたが、歯止めがきかない。一年ほどで室内の照明は元に戻ったが、その後も視力は落ち続け、左右共に2.0あった視力が0.3〜0.4程度になってしまった。まぁ、視力6.0から0.7に落ちたオスマン・サンコンさんと比べれば微々たるものかもしれないけどね……。あ、コレって労災申請とおるんだろか?
で、目が悪くなってから見間違いが多くなったのだが、その中でも極たまに妙なモノを視る。会社の4Fの窓を外から雑巾で拭く腕だったり、街灯の明かりの中をフワフワ上下する光球だったり、電柱をスゴイ勢いで這い上がっていく人影だったり……。イタコとか京極堂シリーズの榎木津礼次郎とかじゃあないけど、視力に難があると視えるモンなんだなァ……。この視えるモノが厄介なのは、動く上に逃げる(消える)事だ。文字とか動かないモノは見直して本当は何だったのかを確認できるが、動くヤツは何を見間違えたのか確認がままならないからだ。恐らく、瞬間的に何かを見間違えた事がトリガーになって、脳内で妄想ムービーが再生されているのだと思うが……
まぁ、妄想制御の為にもメガネを常用すべきなのかなァ……と思ってみたり。でも、何か嫌なんだよなァ……。コンタクト? 眼の中にモノを突っ込むなんて怖くて出来ねェ……

*1:『学校怪談』の山岸クンらしき人物が主人公の『家庭訪問』の次に収録されている『人魚の歌を聴くな』のメガネっ娘を双葉サンと思い込んでしまい面食らいましたよ

*2:『KUROKO』の後日談?

*3:実際には乱歩はそんな事やってなかったみたいですが……